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お大師様のことば お大師様のことば

お大師様のことば(一) - 弟子真済の熱い思い -

大正大学名誉教授
文学博士・東京成就院住職
福田 亮成

 この言葉は、弘法大師空海の詩・賦・哀・讃や、碑・誦・表・書にわたります作品群を集めました『遍照発揮性靈集』の序文にあります、編者真済(八〇〇~八六〇)の言葉であります。この序文の全体は、師の大遍照金剛への敬慕と熱い信仰とがみちあふれたすばらしい文章であり、弘法大師信仰の原点となるものでありましょう。

 まず、金剛薩埵が大日如来に教えを問うたのちに、龍猛・龍智・金剛智・不空・恵果と付法されてきました密教の教えは、「謂(いわ)ゆる第八の折負(せきふ)たる者は、吾が師これなり」というように、第八祖として法を受け継いだ人こそが「大遍照金剛」その人であったという、熱い思いが伝わって参ります。

 そして、真済はご自身の思いを述べまして、「私のごとき迷いの渡し場で道をたずねているような人間が、どうしてさとりの千里のかなたを一目で見通すことができましょうか。私は清らかな世界を願って、つつしんで弟子となりました」と、告げております。

 さらに、弟子真済が観察しました師の様子につきまして、「初めてお会いした人からの質問につきましても、昔からの知り合いのように自由で、まるで鐘と笛とが響きあうようにお答えになりました。
 また、従来の弟子との問答も実に深いものがあり、まるで陰陽の二気がまじわって龍となり、その龍によっておこす雷音が響くようで、その言葉はまったくの真実そのものであることが、わかりました」と、のべております。

 ここには、直接に大遍照金剛空海と同じ時空を生きた弟子真済の師に対する熱い思いが伝わって参ります。私も一人の大遍照金剛の流れを生きる弟子として、弟子真済の熱い熱い思いを共有したいと念じております。

六大新報 平成二十一年三月十五日 第四一七九号 掲載



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