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お大師様のことば お大師様のことば

お大師様のことば(二十七)

大正大学名誉教授
文学博士・東京成就院長老
福田 亮成



 三・一一の大震災、そして原発事故の凄まじい光景は、今でも眼前にあります。圧倒的な自然の力は、多くの人びとの生活を一挙に粉砕ふんさいしました。目に見ることのできない恐しい放射線がたえず降り注いでいます。これは、東北関東の限定された地域の問題ではなく、日本の、そして地球に大きく関わる事でありましょう。

 例えば、クリーンで快適、そんなキャッチフレーズで売り込んだ乱立する超高層マンションも、電気が止まればどのようなことになるでしょう。便利で、快適、そんなことの根源を原発が担っている現実を考えなければなりません。

 しかし、私達はこのような悲惨な状況の前にただ立ちすくんでいるわけにはいきません。私達は、一人一人の生き方に深い反省を加え、新しい生き方を構築しなければならないのです。

 この生き方の深刻な内省は、人をして宗教的な世界に心をむかわせるものであります。即ち、心の探求たんきゅうでありましょう。お大師さまは『般若心経秘鍵はんにゃしんぎょうひけん』の中で、「それ仏法ぶっぽうはるかにあらず、心中しんちゅうにしてすなわちちかし。真如しんにょほかにあらず、てていずくんかもとめん」とのべておられます。ここに掲げたお言葉は、それをさらに一歩進めたものであります。

 ここにいう“我が心”“吾が性”とは、私達が平等にもっている我が仏心ぶっしんであり、吾が仏性ぶっしょうであるにちがいありません。現在のこのような厳しい現実の前に、我が仏心は遠く、吾が仏性は絶えてしまっているかに見えてしまいますが、いや、近くにあり、絶えることがないのであります。というお大師さまの言葉をいま一度、心に響かせることが必要でありましょう。復旧から復興へといわれていますが、私達の心にも同じことがいえます。

六大新報 第四二四七号 掲載



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