Samayaでは賛助会員を募集してい
ます。入会申込書をダウンロードし、
印刷して必要事項をご記入の上、
郵送、もしくは、FAXしてください。
【PDF: 94KB】
お大師様のことば(三十七)
大正大学名誉教授
文学博士・東京成就院長老
福田 亮成
お大師さまは、註釈書を書かなかった方であります。諸開題がありますが、あれは註釈書ではありません。
この文の前に“菩薩、論を造ること、経にしたがって義を
仏の説法は、病に応じて薬を調合するようなもので、その病が多種多様であれば、その処方の仕方も多種多様となり、それは究極的な教えになりえないということであります。
学者が論を造ることの実際は、経典の文言の示す範囲内でその意味を述べて、あえて逸脱しないようにしているのであって、深いさとりの世界は言語をもって説く事ができないというのであります。
このような当時の仏教界を批判して“我を
このことは、入唐以前のお大師さまが、仏教の全般について学んだ当時の仏教界の現状だったのではないでしょうか。もう一つお大師さまは仏教を求めるに、
六大新報 第四二七二号 掲載