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お大師様のことば お大師様のことば

お大師様のことば(四十八)

大正大学名誉教授・種智院大学客員教授
文学博士・東京成就院長老
福田 亮成



 大乗仏教思想が最も深く到達した教えは、本来成仏ということではないでしょうか。すべての人々には共通して仏性・自性清浄心・如来蔵を有している、ということと、菩薩の大誓願は生きとし生けるもの達の救済に向けられている、ということであります。これによりまして、内からも、外からも成仏ということの可能性が完全に満たされたことになりましょう。それはただ成仏にかかわることのみではなく、法の遍満性、平等性が詳細に論じられてもおります。しかし、これらは実に観念的であるというそしりを免れません。本来成仏ということも同様でありましょう。
 お大師さまは、本来成仏ということを実に具体的に述べられております。すなわち、六大ということの無礙即 むげそく、四曼ということの不離即ふりそく、三密ということの加持即かじそくというごとき、たいそうゆうにわたりますそくということであります。そしてこの三即をまとめて重重帝網即じゅうじゅうたいもうそくをあげ、即身ということを徹底されておられます。特に六大について、それを五大と識大であると定義されました。いうならば、人間としての私達の存在そのものが六大ということでありましょう。その六大は、『大日経』と『金剛頂経』の二経より各々偈文をあげられ、六大というものの根拠とされております。そして、この二つの偈文の内容は実に縁起観を述べたものでありました。ここでそれを論ずる余裕はありませんが、即身とは、身に即してと読むのではなく、即の字をはさんで、仏即身、即ち法身大日即我身と解すべきではないでしょうか。このことを前提として掲げました言葉を考えるべきです。真言宗僧侶の最も重要な課題であるに違いありません。


六大新報 第四三〇〇号 掲載



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