諸の弟子らに語(つ)ぐ。
およそ出家修道はもと仏果を期す。
あにいわんや人間(じんかん)少々の果をや。

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お大師様のことば お大師様のことば

お大師様のことば(八十六)

大正大学名誉教授・種智院大学客員教授
東京成就院長老


福田 亮成



 三等の法門とは、密教を表現する言葉であります。三等の三とは、心・仏・衆生のことであります。心とは自身の存在、衆生とは私以外の全ての生きとし生けるもの。仏とはいうまでもありません。この三が平等平等だというのであります。このことについて、お大師さまは、"和尚告げていわく…"とありますように恵果和尚の提唱されたものとし、ご自身の密教におきまして重要な教説としておられます。
 秘密の加持とは、これも密教の代名詞であり、大日如来からの働きかけを加持といったにちがいありません。
 大日如来は、そのおすがたのままに常に説法されておられ、大日如来の加持という活動は、人びとの宗教的能力に応じて常にその働きかけが断ずることがない、ということでありましょう。たえず、大日如来よりの働きかけが私達にふりそそがれているという現実をどのように受け容れてゆけばよいのでしょうか。その方法として、『即身成仏義』の三密加持の説段におきまして、
若し真言行人有りて、此の義を観察し、手に印契を作し、口に真言を誦し、心三摩地に住すれば、三蜜相応して加持するが故に、早く大悉地を得。  と、述べております。三蜜加持の実際を指示したものでありますが、その総論として、  自他平等にして一切如来の法身と共に、同じく常に無縁の大悲を以て無辺の有情と利楽し大仏事をなす、と。  私達は、大日如来と共に、同じく、常に、生きることこそ大日如来からの働きかけを受け容れる方法でなければなりません。



六大新報 第四三九九号 掲載



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