10月15～17日、夕方の風が涼しく、心地よい秋の嵯峨野・大覚寺で夜の特別拝観が開催されました。嵯峨天皇が即位されて1200年という節目の年に、夜の大覚寺の風情と、日本の伝統芸能である能楽、そしてこの日のために用意された特別なお食事を楽しめるという、もり沢山の今回の催し。

京都の中心部からの送迎バスで大覚寺に到着。日は沈み、普段は味わうことができない夜の姿に触れることができました。ライトアップされた建物や庭は、静かながらも訪れた者を雅な世界へいざないます。

大覚寺や嵯峨天皇についての法話を聞いた後に自由拝観を楽しんだら、次はとうとう普段立ち入れない部屋での能楽鑑賞の時間です。 観世流能楽師の吉田篤史氏により能楽のわかりやすい解説がされ、まもなく舞と謡の実演です。重要文化財の襖の金色と、絢爛豪華な能衣装が輝く。車の音や必要以上の電灯のない、現代と隔絶された空間に謡の声が響きます。

じっくりと鑑賞した後は、お食事。大沢池御膳が待っています。目にも楽しい盛り付けで、もちろんお味も確か。お酒を傾けて、ほろ酔い気分で送迎バスに乗り込めば、まるで時空を超えた夢を見ていたよう。ですがこの思い出は、夜闇に照らされたお寺の姿とともに、きっといつまでも心に残るでしょう。

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