諸の弟子らに語(つ)ぐ。
およそ出家修道はもと仏果を期す。
あにいわんや人間(じんかん)少々の果をや。

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お大師様のことば お大師様のことば

「お大師様のことば」
 完結のご挨拶

大正大学名誉教授・種智院大学客員教授
東京成就院長老

福田 亮成

 『六大新報』の平成二十一年三月十五日号誌に、「お大師様のことば」(一)を投稿してから、平成二十九年六月十五日号に、その(百)を投稿し終り、ここに「弘法大師百のことば」は完結することになりました。安堵あんどと共に、貴重な誌面を八年間にわたり駄文をつらね読者の目を汚してきたのではなかったかと恐れるものであります。
 弘法大師のご生涯は、実にダイナミックなものです。最初は、言葉の選定をご生涯にそうものにしようと考えましたが、いつのまにかはずれ任意なものになってしまいました。弘法大師の文章は、どこをとっても名句になってしまいます。文章の中で読んで見えない場合がありますが、「お大師様のことば」として取り出してみますと、そこには深い意味を湛えていることがわかります。名句の選択は多くは『性霊集』等によるものですが、教学を論じられた著作にも、真実なる世界と、俗なる世間とのはざまにあって発している言葉を見ることができます。名句の多くは、勝又俊教編修の『弘法大師著作全集』の第一・二・三各巻の「文章索引」に見ることができ、さらに、それらの全てを包含し、さらに多くの名句を加増して『弘法大師聖句集成』福田亮成編(平成二十二年)、山喜房佛書林発行があります。そして最も推奨したいのが『空海名言辞典』近藤堯寛、平成十八年刊、高野山出版社です。さまざまな工夫をこらした名言辞典です。何よりも名言を探すための機能を持っていることでしょう。著者も自序のなかで「弘法大師の原文を探し出すための索引として活用くだされば幸甚に存じます」と述べておられますが、私もこの辞典を愛用している一人です。
 以前に、弘法大師と空海は別人であると思いこんでいる人と出会ったことがありました。このことは、その人の無知を批判する前に、私達真言僧侶の責任にかかわることであると反省しまして、私の能力の範囲の中で、一連の現代語訳等の作業を続けてきました。「お大師様のことば」もその一つであります。不備な内容に対しご寛容いただき、補説をいただきたく思います。
 これをもって「お大師様のことば」完結の挨拶といたします。ありがとうございました。

 

合掌

 

平成二十九年六月二十七日

六大新報 第四四三八号 掲載

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