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お大師様のことば お大師様のことば

お大師様のことば(三十二)

大正大学名誉教授
文学博士・東京成就院長老
福田 亮成



 この優しい文は、「藤左近将監とうさこんのしょうかん、先妣(亡母)のために三七のときを設くる願文」の中にあります。前文に「朝に閻浮えんぶ(この世間)をいとい、夕に都率とそつゆかう」とありますから、この身は落花のごとくに死滅してしまいましたが、その心は香煙にしたがって弥勒菩薩のおわすお浄土に飛んでいかれた、ということを述べたものでありましょう。「心は香とともに飛ぶ」とは、なんとすばらしい表現ではありませんか。

 ここで少し自由に考えますことをお許しください。お大師さまは、『即身成仏義』という著述に、六大ということをあげておられます。六大とは五大と識大とである、と定め、五大とは地・水・火・風・空のこと、ようするに万物を構成する五要素のことであります。それにこころを加えて六大というのであります。いうならば、六大とは身体と心とを備えている人間自体そのものを云うと同時に、法身大日如来そのものをも指示するものであります。さらに、六大ということをのべます根拠に、『大日経』と、『金剛頂経』との同じ趣旨の偈文を取り出します。そして、その二つの偈文の意味は、仏教の中心的基調であります縁起の様相を説いております。ですから六大という言葉で法身大日如来、そして私、さらには縁起法をも同時にあらわしていることになります。六大法身といったり、六大縁起といったりすることも間違いではありません。

 私はひそかに思います。六大の当体である私は、その生死に関係なく六大そのものなのでありますから、もし死が訪れたとしても身体は五要素に分解して、心と共に法界に遍満しておられる法身大日如来と一つになるものと思っております。

 

六大新報 第四二六〇号 掲載



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