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お大師様のことば(四十)
大正大学名誉教授
文学博士・東京成就院長老
福田 亮成
お大師さまは、時として私達に向かって鋭い戒めの言葉を投げ掛けます。ここに揚げました言葉もその一つであります。文中の“朝朝夜夜・年年月月”とは、毎日繰り返される日常生活、世間的な生活のことでありましょう。“衣食の奴”とは、着る物や食べ物の費用を
時代が進み、それがどれだけ近代化され、豊かな生活を享受することになったとしても、このことは消え去るものではないようです。人間に少しの才能があって貧困から解放されている場合があるかもしれませんが、それらはまったく一時的なものにすぎません。経済的な豊かさは、えてして精神的な不安や堕落をもたらすものです。私達僧侶の世界にも世俗的な事柄がはびこり、これらのことと無縁ではありえません。お大師様のことばに、“法は人によって弘まり、人は法を待って昇る。…この故に人を
私達は、お大師さまの
六大新報 第四二八〇号 掲載